農薬に頼らずおいしい野菜を育てる家庭菜園

新緑が鮮やか、風も気持いい、春真っ盛りのこの季節は大好きです。

ベランダやおうちの庭の片隅でそろそろ野菜作りでもしようかなと思っている人もいるでしょうね。

でも、せっかく家族が口にするものだから農薬や肥料に頼らないで野菜を育てたいと思っている方に健康でおいしい野菜を育てるガーデニングのコツをご紹介します。

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野菜作りには土づくりが一番大事

まず最初にとりかかりたいのが、野菜が育つ環境つくりに大切な「土作り

雨が多い日本はカルシウム(石灰)やマグネシウム(苦い土)が流亡しやすく、酸性土壌になりがちです。

多くの野菜の生育に適した弱酸性(pH6~6.5)の土壌にするために、カルシウムとマグネシウムを含む石灰資材を種まきや植え付けの2~3週間前に投入することがすすめられています。

酸性土が改良されると土壌微生物の働きが活発になって有機物の分解を早める効果もあります。

ただし、野菜によっては酸性を好むものもあるので野菜の種類に適した酸度(pH)に調整することが大切です。ジャガイモやスイカは酸性に強くpH5~5.5でもよく育ちます。

ほうれん草や玉ねぎは酸性が弱く、発芽してもしばらくして枯れてしまいます。

土壌を診断する簡単な方法は、畑に生えている雑草の種類によって見分けることができます。

スギナオオバコという雑草が生えていれば酸性土壌です。

正確に調べるには、土の酸度を調べるキットも市販されています。

「EM菌」や「ワーコム」など日本で特許をとっている自然素材の土壌改良剤を利用すれば、化学薬品に頼らなくても無農薬栽培に挑戦できます。土壌のバランスを整える製品です。

山の腐葉土ができるしくみを利用したもので、土壌菌、乳酸菌、酵母など善玉菌の集合体の働き酵素発酵の力をかりて微生物が分解するので、ふかふかの土になり野菜が育ちやすい土壌環境にしてくれます。

土壌改良製品の紹介はこちら→   EM公式サイト  ワーコム公式サイト

参照:雑誌家の光

よい種を選ぶ

種には固定種と一代交配種のタイプがあります。

固定種は、栽培と接種を長年繰り返すことで形質が固定されてきたものです。

一代交配種はF1種とも呼ばれ、いわゆるハイブリッドで形質が異なる親同士を交配することで性質が強く形質がそろうというメリットがあります。

つまり、野菜を商品として生産し流通させるために改良されたものです。

間引きや収穫が一斉にできるので便利です。

ただし、種を採集しても次世代(2代目)には親がもっていた形質がバラバラに表れるので同じ野菜をとることが難しいので、毎年種を買うことになります。

固定種は育成がそろわないことはありますが、育ったものから順番に収穫できるので家庭栽培にむいています。また、種を摂って育てられることもメリットです。

「種子法」が廃止されました。(2018年4月)「種子法」は、主要農産物(稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆)の有料な種子を維持するよう各都道府県に義務付けた内容です。

「種子法」がイネのタネを守っていたから日本のコメは安心、安全で自給率100%を維持することができました。

「種子法」廃止によって、今まで培ってきたイネの研究、日本人が守ってきたイネの文化までグローバル化という理由で海外企業にわたる可能性があります。

F1は出荷用、自分で家庭で食べる野菜は固定種が向いています。

家庭菜園の種、固定種を売っているお店はこちら→ 野口のタネ

参照:  村上和雄筑波大学名誉教授 到知インタビュー  やさい畑  

余った種の保存方法

野菜の種は量が多くて家庭菜園では撒ききれないことがよくあります。

「捨てるのはもったいないし…。」と思っている人もいるでしょう。

種も生きているので寿命があり、時間がたてばたつほど発芽率が落ちます。

古い種を撒くとまばらにしか芽が出ず、巻き直そうにも適期が過ぎているということがあります。

種袋に書いてある有効期限もまったく発芽しないわけではなく、安全のために短めに設定されている場合があります。また、種の寿命は保存方法によっても大きく変わります。

余った種の保存方法は、種袋に戻して乾燥材(シリカゲル)とともに缶か瓶などの密封容器に入れ冷暗所で保存、温度変化と湿度で変わってくるのでできれば冷蔵庫の野菜室がいいです。

野菜の種の寿命

1~2年 ネギ、タマネギ、ニラ、レタス、キャベツ、ゴボウ、ニンジン、ホウレンソウなど
3~4年 ダイコン、ハクサイ、カブ、スイカ、インゲン、エンドウなど
5~6年 キュウリ、カボチャ、トマト、ナス、スイカなど

参照:NHK

 野菜作りに最適な時期

野菜の種が入った袋をよく読んでみると日本原産のものはごくわずかです。

ほとんどが海外からもたらされたもので原産地の環境とは異なる場合が多いため、適期を見つけることで日本での栽培が可能になりました。

地球温暖化のせいで気候が極端になりがちなため、毎年決まった時期に作業をするというのが難しくなってきました。

農薬のない時代には伝承農業があり、自然界の生き物の変化を目印に作業を行うおいしい野菜を作る知恵がありました。

伝承農業とは

生育や収穫に好ましい結果をもたらすと考えられて伝えらえてきた農作業の手順とコツ

例えば、「桜が咲くのを合図にサツマイモの苗づくり」「藤の咲く頃には遅霜の心配もほぼない」などです。

こうした季節の変化の目印になる植物の開花や鳥の初鳴きなどを「季節指標」と呼び、それによってつくられた暦を「自然暦」といいます。

「カッコウが鳴いたら豆をまけ」

カッコウはアジアの温かい地域から日本へ渡来する渡り鳥。

カッコウの初鳴きは森や林で餌となる虫たちが増えて鳥の活動が活発になった証拠です。

化学肥料などを使う現在の栽培暦に比べて遅い自然暦を使うと、5月中旬に枝豆、インゲンの種まきをしたり、ジャガイモを植え付けるのは遅い感じがします。

豆類はこれよりも早く撒くと鳥の食べ物が少ない時季に当たるため鳥に食べられやすくなります。

また、5月中旬は気温が上がり、地温も十分に高くなる時期なので、土中に残っていた有機物の分解が進み、肥料を施さなくても枝豆、いんげん、ジャガイモなどが自然によく育ちます。

日本は南北に位置しているので自分が暮らす地域にあった季節指標を見つけてみて下さい。

種まきや植え付けなどの作業を最適期にすると野菜の生育がよくなり病害虫の被害が少なくなって収穫も多くなります。

参照:やさい畑

コンパニオンプランツ

一緒に植えると互いによい影響を与えあう植物同士がコンパニオンプランツ(Companion Plants)

違う野菜を混植することで病害虫が発生しにくかったり、お互いの成長を促したりする相性のよい組み合わせのことです。

天敵(害虫を餌にして繁殖する虫)を集めて育てたり、病害虫を防除してくれる関係もコンパニオンプランツといいます。

そもそも毎日食べている野菜類は、野生にあった植物を採集して育種して野菜にしてきたものです。野生の植物は何種類かの植物が共存共栄して群落を形成しています。

その自然生態系の仕組みを利用したものがコンパニオンプランツの原点です。

コンパニオンプランツの組み合わせ方は、栄養、根圏、光の競合などが生じにくいなどの特徴が生かされています。

例えば、高栄養を好む植物には栄養を作り出す植物(麦とクローバー)、浅い根には深い根(葉ネギとほうれん草)、好光性には耐陰性(トウモロコシと枝豆)といった対極になる植物関係がコンパニオンプランツです。

参照:木嶋利男 混植による作物病害の防除

簡単にその差がわかるコンパニオンプランツ

葉ネギ+ホウレン草・・・ホウレン草が甘くておいしくなる


ホウレン草は窒素成分を吸収しすぎると葉の中に硝酸態窒素が残り、あくやえぐみのもととなるシュウ酸も同時に増えてしまいます。

葉ネギなどのネギ類はアンモニア態窒素よりも硝酸態窒素を吸収しやすい性質を持っています。

葉ネギが余分なアンモニア窒素を先に吸収することで、ホウレン草が窒素成分を過剰に吸収するのを防いでくれます。

ほうれん草がゆっくりと安定して育ち、えぐみが少なく甘さが引き立ちます。

ゆがいてみるとさっと葉の色がよくなりお湯にはあくがでません。

ホウレン草だけで育てた単植と葉ネギとの混植を比較すると味の違うがはっきりわかりますよ。また、ホウレン草の代わりに小松菜、青梗菜でも効果が同じで味がよくなります。

参照:ネギ類の混植

トマト+ニラ・・・病気から守ってくれる


トマトは同じ場所で毎年栽培すると、萎ちょう病や半身萎ちょう病などの土壌病害が発生してトマトが作れなくなります。

ニラの根に繁殖する菌(バークホルデリア・グラジオリー)がトマトの病原菌を防ぎ、同じ場所で毎年栽培できる連作が可能になります。

混植することで土壌中の微生物の相が多様化して豊かになります。

トマト+落花生・・・トマトに栄養を与えてくれる


落花生はマメ科であるため、根に根粒菌が共生し、空気中の窒素を固定します。

これが翌年にトマトの栄養源として働きます。

また、落花生に菌根菌が共生するため、植物が吸収できなくなっていたリン酸や鉄などのミネラルを土の中から吸収してトマトに供給します。

トマトの根本にバジルやハーブを植えると風味が余分な水分を吸収してトマトが甘くなります。

参照: ハーブとトマトの混植

いちご+ペチュニア・・・受粉を手伝うミツバチを誘ってくれる


イチゴは受粉しないと結実しないので、ペチュニアの花に集まる昆虫によってイチゴが確実に受粉されます。

みつばちが好む花を近くに植えてあげることがポイント!

他にもたくさんのコンパニオンプランツの組み合わせがあります。

参考にした本はこちら→ 農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ

水やりのタイミング


野菜は日の出と共に土の中から水と栄養分を吸収して活動を始めます。これが葉先まで到達するまでに4時間は必要とします。

遅くなるほど日が昇りきって光合成をする時間がなくなり、ほとんど役に立たない水になります。

また、日中に水をやると湿度を高めるだけになり病害の原因を作ってしまうことになります。

風通しをよくしてやる


収穫量を多くしようと種子をたくさんまいて密植すると、株と株間の湿度が高まり病害が発生しやすくなります。

湿度を高めることは、病原菌にとって最高の繁殖する条件になります。

種を撒いたら早めに間引きを繰り返して、できるだけ風通しをよくしてやります。

農薬を使わないで病害虫を取り除く


アブラムシやハダニが発生した場合は、牛乳を10倍に薄めて散布します。

虫は気門で呼吸するので、牛乳で気門がふさがれて繁殖が抑制されます。

参照:コンパイオンプランツ・著者木嶋利男

朝取り野菜の誤解

スーパーマーケットでよく見る「朝摂り野菜」のサイン。

いかにも新鮮そうですよね。

トマト、ナスやキュウリなどの果菜類は朝取りがおすすめです。

果菜類は日中に光合成でつくった養分を夜に果実に貯めるので朝に収穫する方がおいしいのです。

でも、ホウレン草や小松菜などの葉菜類は、日中の光合成によって葉に端酸化物(糖)が作られるため朝よりも方のほうがよいものが収穫できます。

野菜の種類を問わず気温が低い朝に収穫すると、野菜が温まっていないので収穫後の日持ちがよくなります。

しばらくおいたほうがおいしくなる野菜もあります。かぼちゃやサツマイモは収穫直後は甘くありませんが2週間~1か月ほどおくことででん粉が糖化して甘くなります。

摂りたても、しばらく経ってもおいしいのがジャガイモと玉ねぎです。摂りたては水気が多くて新鮮な風味を楽しめ、しばらくおくことで水分がぬけてこくが出ます。

参照:やさい畑

野菜づくりは奥が深い!何かが育っていく様子を見ているのはどんな生き物でもうれしいです。

野菜は生で食べてもお料理してもおいしいですが、最近は野菜を使ったケーキなどデザートレシピもたくさんあるので種をまいてから収穫後も楽しみいっぱいですね。

幼稚園の先生とおばあちゃんが薦める絵本はこちら→「たね」「はっぱとねっこ

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